Creepypasta Wiki
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見ての通り、俺はアパートで一人暮らしをしているただの大学生だ。俺はアメリカでポケモン ハートゴールド/ソウルシルバーの発売をとても楽しみにしていたんだ。だから学校で必要な以外では全てのメディア、インターネットから離れていた。(英語版ポケモンWiki) とか一切ナシって意味だ。

俺は学業で忙しいし貧乏だったから、発売日にソウルシルバーを買えなかった。学期が終わったあと、俺はAmazonでソウルシルバーを買ったんだ。だけど来るのに一週間かかるようだったから、俺はその間クリスタルをゲームボーイカラーで遊ぶことにした。

だが、昔俺が「セーブができなくなった」と言ったから母さんが捨ててしまったことに気づいて、その時はすごく腹が立った。俺が持っていたポケモン 銀も捨てられちゃってたから、俺の手元にあるのはゲームボーイカラーだけ。だからGameStop (アメリカに本社があるゲーム小売店) で中古の銀を買った。というのも、店にはGBC用のポケモンはこれしか残ってなかった。10ドルは安い。

俺は家に帰って、懐かしい旅をするためゲームを起動した。 しかし、ここからが奇想天外な展開となる。今これをお前が読んでいる1番の理由かもな。

ゲームフリークのロゴは通常どおり起動するが、そこでフリーズした。俺はカートリッジが何かしらのエラーを起こしたのかと思って、電源をオフにしてまたオンにした。またしても同じことが起こった。Aを押し何度も起動して、全部のボタンを押した。最終的にはロゴが消え、5秒くらい黒い画面になった。

突然通常のメニュー画面ではなく、 古いセーブファイルで既にゲームが始まっていた。こういうのは貧弱なバッテリーのせいで消えていると思っていたから、おかしいと思った。

どちらにせよ、前の人が何をしたかを確認するために「つづきから はじめる」という選択肢を選んでいただろうから、不満はなかった。

まず第一にトレーナー情報を確認した。そいつの名前はただ単に「...」だった。どうやらあまり独創性の無いやつだったらしい。

俺はプロフィールをチェックした。記録はプレイ時間999.99時間、バッジ16個全部、99999.9円、そしてポケモンずかんには251匹全ていた。

ミュウとセレビィも持っていたから、当時の俺は前のやつがチートを使ったかガチのポケモンプレイヤーのどちらかだと思っていた。

俺はこいつがどんなイカしたパーティを組んでるか見ようとポケモンを見た。驚くべき事に、そこには5匹のアンノーンと「HURRY」(『早く』)という名前の6匹目のポケモンがいた。俺はこれを最後にこのゲームをプレイしたやつの酷い冗談かと思った。とにかく、ポケモンのプロフィールを見る事にした。

予想通りアンノーンはそれぞれ姿が異なり、全部レベル5だった。当時の俺はアンノーンのアルファベットに少し自信がなかったが、綴られた単語が「LEAVE」(『去れ』)であることを確認した。

6匹目のポケモンはヒノアラシだった(まだポケモンの種類ごとに個別のアイコンが無かったころの話だ)。見た目は普通だが、レベル5でHPが1しかなく、技も「にらみつける」と「フラッシュ」の2つしか無かった。なぜ「HURRY」という名前がついているのかは分からなかったが、当時は気にしなかった。一番不気味だったのは音量を最大にしていたにもかかわらず、連れていたポケモンたちが1匹として通常の鳴き声をあげなかったことだ。ただの沈黙だけだった。

パーティの確認はもう十分したのでポケモンのメニューを閉じた。マダツボミの塔の一室と思われる場所に俺は居た。しかし、なぜか周囲にはNPCがいない。さらに不気味なのは、真ん中の「柱」が全く動かずただ傾いているだけだった。音楽もないし、出口もハシゴもないし、ないだろうと思っていた。

数分間歩き回ってみたが、出口が見つからない。マダツボミの塔でも見たことのない部屋だった。あなぬけのヒモが無いかとリュックを確認してみたが、アイテムは何も無かった。野生のポケモンもいなかった。

ようやく、ハシゴを見つけることができた。ハシゴは「柱」の後ろにあることがわかった。画面が真っ黒になり、ようやく音楽が流れ始めた。BGMがアンノーンがいるアルフの遺跡でラジオを聴いていたときの曲だとわかり、急に寒気がした。

読み込み中ではなく、暗い部屋に居たからフラッシュが必要だとすぐにわかった。その前にラジオの音楽をもっとマシなものに変えようとすぐにポケギアを確認したが、ラジオカードはおろか、電話や時計機能も無かった。あるのはマップカードだけで、そこにはゴールド(さっきから話している『...』のことだが、これからはゴールドと呼ぶことにする)が闇の中をただ歩いているだけだった。

ヒノアラシはフラッシュを覚えていたから、ポケギアの電源を切ってヒノアラシにフラッシュを使わせた。「HURRYはフラッシュをつかった!」などのメッセージは出なかった。部屋が明るくなったが、すぐに後悔した。部屋はぞっとするような血に似た赤色で、南に向かって直線の灰色の通路が続いていた。俺が使ったハシゴはそこには無かった。

仕方なく南に向かった。20歩進むごとに画面が暗くなっていき、最後には看板らしきものが出てきた。看板を読んでみると、「すぐにひきかえせ」と書いてあった。

突然「はい」か「いいえ」の選択肢が出てきたが、質問はされなかった。何を聞かれているのかわからないので「はい」を選ぶと、ハシゴを登った時に出る音を立てながら再び画面が真っ暗になった。アンノーンの音楽が止まり、数秒後にはさほど不気味ではないポケモンのふえのラジオ放送に変わっていた。

俺は別の暗い部屋にいたが、固唾を飲んで再びフラッシュを使った。すると突然「HURRYはきぜつした!」と表示された。HURRYには毒などの状態異常はなかったはずだし、明らかに戦闘中でもなかったのでおかしいと思った。慌てて自分のポケモンを確認すると、なんとHURRYはパーティにいなかった。少し調べてみると元々いた俺のポケモンは一匹もおらず、レベル10のアンノーンに全て置き換わっていた。さっきやったのと同じように、アンノーン文字を解読した。そして浮かび上がったのは「HEDIED」(『彼は死んだ』)という文だった。

その不気味な変化の後、明るくなるとたったの4マス分しかないとても小さな部屋にいた。その部屋の壁は灰色のレンガで、まるで何かをくりぬいた中にいるようだった。その部屋の外には、ポケモン赤・緑に出てくるお墓のようなものがたくさんあった。俺は小さな部屋の中を歩き回ってAボタンを押したが、何も起こらなかった。

すでに俺はこのソフトが明らかに改造されたものだと結論付けた。そしてどこかの趣味の悪いやつがGameStopに売ってしまったのだろうとな。しかし、俺の好奇心は止まらなかった。もう一度「...」のプロフィールを確認してみると、ゴールドのドット絵に腕がないことに気づいた。またゴールドの表情もドヤ顔ではなく、何とも言えない悲しげで空虚なものになっていた。そしてなぜかバッジを24個持っていると表示されていたが、これはどうみても不可能だ。

あてもなく数分間さまよった後、俺のキャラクターは突然回転し、あなぬけのヒモの回転アニメーションをした。しかし俺のキャラクターは上に飛ぶのではなく、沈むようにゆっくりと下に向かって回転した。

その画面の後、音楽が止まった。ゴールドはようやく着地したが、ゴールドのフィールド上のドット絵の色が変わっていた。いつもの赤ではなく、肌も含めて真っ白になっていた。まるで色のないゲームボーイのゲームから、色のついたゲームボーイカラーの背景にそのまま入ってきたようだった。

ゴールドのプロフィールを見てみた。フィールド上のドット絵と同じく真っ白で、足が無く目からは血涙のようなものを流していた。そしてバッジの数が32個になっていて、この数字の変化が何か重要な意味を持っているような気がしてきた。

また自分のポケモンを確認してみると、今度はアンノーンが5匹とレベル100のセレビィ(ニックネームなし)がいた。今度のアンノーンのレベルは15で、出てきた単語は「DYING」(『死にかけ』) だった。セレビィのプロフィールを見てみた。色違いのセレビィだったが、ドット絵が体の片側しかなかった。片足、片腕、片目だけ。そして技は一つだけしか覚えていなかった。「ほろびのうた」だ。

前と同じく俺がいた場所は動かない柱があるマダツボミの塔だったが、今度はすべてが赤くなっていた。俺は北に向かってずっと歩き続けた。やがて男女のNPCに出会った。彼らは全員脇に並んでおり、真ん中の長い斜めの柱の方を向いていた。

NPCも真っ白で、話しかけても何も起こらなかった。そのまま北へ進むとついに切り落とされた柱が現れ、切り落とされた部分に透明なレッドがいた。レッドに近づいていくと、Aボタンも押していないのにいきなり戦闘に入ってしまった。

再び音楽が流れ出し、それはアンノーンがいるアルフの遺跡でラジオを聴いていたときの曲のようだったが、逆再生されていた。戦闘時におけるゴールドの背面のドット絵は、血走った目、白い肌、腕がないなど正面のものと一致していた。それに対してレッドのドット絵は透明ではあるものの、ポケモン 金・銀・クリスタルのものと同じだった。まるでレッドに名前が無いかのように、テキストには「がしょうぶをしかけてきた!」とだけ書かれていた。そして2人ともポケモンを1匹ずつしか持っていなかった。俺にはアンノーンを含めて6匹いたはずなのに変だった。

俺の色違いのセレビィが出てきた。正面と同じく、背面のドット絵も片側半分だけだった。そして色違いのポケモンが出るときに鳴る効果音とアニメーションが違っていた。その音は「いやなおと」を何回も続けて使ったような音だった。レッドは一見普通のオスのピカチュウを出したが、そのレベルは255だった。ピカチュウのドット絵は悲しそうにしていて目には涙を浮かべていた。

通常の「たたかう」「リュック」「ポケモン」「にげる」ではなく、技を使うかどうかの選択肢しか与えられなかった。セレビィの技は1つしかないのでそれを選んだ。ピカチュウのレベルは255なので、当然ピカチュウが先に行動した。

「ピカチュウはのろいをつかった!」素早さが下がって他の能力が上がった。ピカチュウが「のろい」を使えるかどうかも分からない。

「セレビィはほろびのうたをつかった!」3ターン後にお互いのポケモンが気絶してしまうが、仕方がない。

この時点で「たたかう」メニューに戻ることもなく、俺抜きでそのまま戦闘が続いていた。また、なぜかアニメーションは一切なかった。

「ピカチュウはじたばたをつかった!」ピカチュウの体力は満タンだったため、レベル差と攻撃が上がっているにも関わらずあまりダメージを与えられなかった。

「セレビィはほろびのうたをつかった!」既に使われているので何も起こらなかった。

「ピカチュウはやつあたりをつかった!」大ダメージを与え、セレビィのHPが10未満になってしまった。

「セレビィはいたみわけをつかった!」セレビィはそもそもこの技を覚えていなかったので驚いた。現在、セレビィとピカチュウのHPは約150。

「ピカチュウはくろいまなざしをつかった!」意味は無かった。

予想していた通り、「ほろびのうた」の効果で俺のセレビィは気絶してしまった。しかしテキストには「セレビィはしんだ!」と表示され、通常の画面から落ちるアニメーションではなく、セレビィのドット絵が消えてしまった。なぜか「ほろびのうた」を使ってもピカチュウは気絶していなかったが、俺の負けにはなっていなかった。

ポケモンは4つしか技を覚えられないはずなのに、ピカチュウは違う技を使った。

「ピカチュウはみちづれをつかった!」

その後「ピカチュウはしんだ!」と表示され、ピカチュウの姿がゆっくりとフェードアウトした。透明のレッドのドット絵が現れ、「..........」と言った。どうやら俺が勝ったようだ。

そして突然、透明のレッドの頭が無くなったので俺はただとても驚いた。レッドには透明な体しか残っていなかった。戦闘はその時点で終了し、音楽と共にフェードアウトした。

フィールドに戻った。するとレッドと同じく、フィールド上のゴールドのドット絵が透明になっていた。すぐにゴールドのプロフィールを確認してみると、今度はゴールドの頭だけが残り皮膚が透明になっていた。頭の部分が少し拡大して表示され、目の部分に黒い空洞が見えた。そしてバッジを40個持っていると書かれていた。その後、俺は戻って自分のポケモンを確認した。ポケモンは全てレベル20の色違いのアンノーンで、出てきた単語は「NOMORE」(『死んだ』)だった。

今ではどこか分かっているが、俺がいた場所は終わりの隣にある場所だった。音楽は流れていないはずなのに、なぜか何かが聞こえてくるような気がした。俺はワカバタウンの自分の部屋に戻っていた。やっとこのゲームをちゃんと遊べるようになったのかもしれないが、まあそんな事はもちろんなかった。

例の趣味の悪いクソ野郎が何かしたに違いない。階段を降りて確認するのは少し怖かったので、俺は物に触れようと部屋の中を「歩いた」。「歩いた」と言ったのは、背景は動いているもののゴールドは透明な手足を全く動かさず、ダイヤモンド・パールに出てくる幽霊のようにただ浮いていたからだ。

案の定ラジオもパソコンもテレビも動かなかったので、仕方なく階段を降りることにした。俺は同じ家の下の階にたどり着いた。お母さんがいないことを除けば、すべて普通に見えた。この部屋では何もできなかったので、外に出ることにした。驚いた事に南側の外に通じるドアは開かず、そのまま通り抜けて虚空へと入ってしまった。

いったい何が起こっているのか確かめるため、南に向かって進んだ。虚空を南下していくと俺の家が消えてしまった。虚空に入った時、ゴールドの透明なドット絵の輪郭が白くなり真っ暗闇とのコントラストが不気味だった。やがて白い場所にたどり着くと、ゴールドのドット絵の輪郭は再び黒になった。俺は立ち止まることなく南へと進んだ。

南に長いこと歩いた後、俺はあるものに出会った。それは通常のゴールドのドット絵だった。俺はそれに話しかけた。彼は「えいえんにさようなら ...。」(『....』の前に空白がある)と言って消えてしまった。そして「???はあくむをつかった!」と表示されたが、この時点ではその可能性は否定しなかった。ゴールドは前と同じように、ゆっくりと下に向かって回転するあなぬけのヒモのアニメーションを行った。

先ほどのお墓に囲まれた小さなくり抜かれた部屋に戻ってきた。というかもうドット絵がないので、戻ったとしか思うしかない。歩き回ろうとしても、壁にぶつかる音すらしない。トレーナープロフィールを確認すると、ゴールドのドット絵は全く残っていなかった。バッジは0個で、下にあったジョウトのジムリーダーの絵は全て髑髏に変わっていた。

自分のポケモンを確認してみると、すべてレベル25のアンノーンだった。予想していた通り言葉が出てきた。俺は意を決してその言葉を読んだ。「IMDEAD」(『ぼくは死んだ』)だった。

フィールドに戻ると、俺がいたはずの部屋は壁と同じブロックで覆われていた。そして最後に出てきた言葉でその部屋が一体何なのかがわかった。「やすらかにねむれ ...」

その部屋は大きなお墓で、周りには他のお墓があった。ゴールドはすでに死んでいる。死んだのはおそらくレッドを倒した数年後だろう。

ゴールドは若いトレーナーで、たくさんのバッジを集めてポケモンマスターになろうと努力した。しかし死という避けられない運命から逃れられず、その努力はやがて次の世代に忘れ去られてしまったのだ。

どのボタンを押してもその文を閉じることはできなかった。ゲームをリセットしても同じことが起こり、ついに俺はあの恐ろしい悪夢をあきらめることにした。

この経験のせいで俺はアンノーンの「ギミック」を二度と同じ目で見ることができなくなった。初代には民話や伝説があると言うが、第二世代は真実がいかに恐ろしいものであるかを教えてくれた。そして俺はソウルシルバーを大いに楽しんだが、あの改造されたゲームが俺に語ったことは今でも忘れられない。

ゲーム[]

2010年9月初旬、完成されたLost Silverの同人ゲームが制作された。このゲームはハックロムではなく独自の実行ファイルであるため、エミュレータやポケモン銀のソフトを必要としない。

「すぐにひきかえせ」の看板で「いいえ」を選択すると別のイベントが発生するなど、ストーリーが追加されていることが話題になっている。

この独立した同人ゲームは、Game Makerというゲーム制作用プログラムで作成されたポケモンのゲームエンジンをもとにして作られた。このゲームのソースファイルはここからダウンロードおよび編集が可能。

ゲームのプレイ動画

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